「褥瘡ができてしまったけど、どうプランに書けばいい?」
「エアマットを入れるときのニーズの書き方は?」
「多職種との連携(処置や栄養)を具体的に示したい」
ケアマネジャーにとって、褥瘡(床ずれ)の発生は非常に緊急性が高く、迅速なプラン変更が求められる場面です。また、単なる「傷の処置」だけでなく、原因となる「低栄養」や「圧迫」への対策をセットで提案する必要があります。
この記事では、褥瘡の治療・予防・福祉用具・入浴など、シーン別にそのまま使える第2表の文例をまとめてみました。
わかりにくい部分や、違うよって部分もあるかもしれませんが、少しでも参考にしてもらえればうれしいです。
目次
褥瘡ケアのプラン作成における「検索意図」と注意点
読者の皆さんは、以下のような悩みを抱えていませんか?
- 医療的処置(特別指示書など)をどうケアプランに位置付けるべきか
- 「本人の痛み」と「介護者の負担」をどう表現するか
- 福祉用具(エアマット等)の導入根拠を明確にしたい
褥瘡ケアの基本は「清潔」「栄養」「除圧」の3本柱です。これらをニーズやサービス内容にバランスよく配置することが、質の高いケアプラン作成のコツです。
1. 【治療・処置】訪問看護・医療連携の文例
褥瘡がすでに発生している場合、主治医の指示に基づく「処置」と「観察」が主軸となります。
【ニーズ】
真皮に及ぶ褥瘡の早期治癒を目指し、医師の指示に基づいた専門的な処置と継続的なケアを受けたい。
【長期目標】
専門的処置により褥瘡が治癒し、痛みを伴わず安楽に過ごすことができる。
【短期目標】
日々の洗浄、軟膏塗布、ガーゼ交換等の適切な処置を受け、患部の改善傾向が見られる。
【サービス内容】
訪問看護(特別指示書対応):褥瘡部の洗浄・処置、医師との連携、体調管理、服薬管理、看護師による患部の経過観察。
【ニーズ】
栄養状態の改善や体圧分散などの環境整備を通じて、新たな褥瘡の発生を防ぎ、健康的な皮膚を維持したい。
【長期目標】
栄養・清潔・除圧の観点から適切な予防ケアが行われ、新たな褥瘡を作ることなく生活を維持する。
【短期目標】
褥瘡発生原因(栄養・圧迫等)への理解を深め、生活の中で具体的な予防対策を実践できる。
【サービス内容】
訪問看護:皮膚状態の確認・処置、栄養補給に関するご家族への助言・指導、他事業所(施設・ケアマネ)との連携、発生要因の説明。
【ニーズ】
寝たきり状態による身体の痛みを軽減し、褥瘡を治しながら、心地よく穏やかな在宅生活を続けたい。
【長期目標】
適切な体位変換と治療ケアにより、褥瘡の悪化や入院を繰り返すことなく、安楽に過ごせる。
【短期目標】
看護師のアドバイスにより安楽な体勢をとることができ、褥瘡への圧迫を最小限に抑えることができる。
【サービス内容】
訪問看護:皮膚状態の観察・指示医に基づく処置、安楽な体位の提案・指導、苦痛緩和に向けた体調管理とケアのアドバイス。
【ニーズ】
臀部の褥瘡治療を確実に進め、体調不良による入退院を繰り返すことなく、安定した在宅生活を維持したい。
【長期目標】
皮膚状態と全身の健康管理が徹底され、褥瘡が再発することなく穏やかに過ごすことができる。
【短期目標】
褥瘡部位の洗浄や薬の塗布等の処置を継続し、専門職のアドバイスに沿った皮膚保護を実践できる。
【サービス内容】
訪問看護:臀部褥瘡への洗浄・処置、皮膚状態の定期的なアセスメント、清潔保持に向けた指導および助言。
【ニーズ】
自力での寝返りが困難な中、右腸骨部に生じた褥瘡を治療し、新たな皮膚トラブルを作らないような環境で過ごしたい。
【長期目標】
安楽な体位保持と除圧の工夫により、褥瘡が治癒し、心身ともにリラックスした生活を継続する。
【短期目標】
特別指示書に基づく専門的な処置を受け、患部の炎症や拡大を最小限に抑えることができる。
【サービス内容】
訪問看護(特別指示書):腸骨部への専門的処置、バイタルチェック、服薬管理、安楽体位の工夫に関する助言。
【ニーズ】
食事量の低下に伴う低栄養状態を改善し、内面からの皮膚再生力を高めることで、褥瘡の早期治癒と再発防止を図りたい。
【長期目標】
栄養状態が良好に維持され、新たな褥瘡を作ることなく、健康的な皮膚状態を保つことができる。
【短期目標】
高カロリー・高タンパクな食事や補助食品を摂取し、褥瘡部位の肉芽形成(治癒の兆し)が見られる。
【サービス内容】
訪問看護:皮膚の観察と処置。ご家族へ栄養補給(補助食品の活用等)に関する具体的な助言。管理栄養士や他職種との連携。
【ニーズ】
寝返り困難や介助量の増加に対し、適切な福祉用具や看護ケアを導入することで、褥瘡を治しながら家族も安心して介護を続けたい。
【長期目標】
褥瘡の発生原因が取り除かれた環境の中で、ご本人・ご家族ともに負担の少ない安定した在宅生活を送る。
【短期目標】
体圧分散寝具(エアマット等)を適切に活用し、褥瘡部位への過度な圧迫を回避する生活習慣が整う。
【サービス内容】
訪問看護:褥瘡処置および発生原因(圧迫・湿潤等)の解説。福祉用具専門相談員と連携した寝具の選定・調整のアドバイス。
【ニーズ】
臥床時間の増加による蒸れや排泄物による汚染を防ぎ、常に患部を清潔に保つ処置を受けることで、褥瘡の悪化と痛みを防ぎたい。
【長期目標】
感染症を併発することなく褥瘡が完治し、皮膚のバリア機能が維持された状態で穏やかに過ごすことができる。
【短期目標】
洗浄・軟膏塗布の継続により、患部の発赤や浸出液が減少し、周囲の皮膚が清潔に保たれる。
【サービス内容】
訪問看護:主治医の指示に基づく褥瘡洗浄、薬剤(軟膏等)の塗布、被覆材の交換。清潔保持のための清拭・沐浴介助時の皮膚観察。
2. 【福祉用具】除圧・環境整備の文例
「なぜその用具が必要か」を、褥瘡の痛みやリスクと結びつけて記述します。
【ニーズ】
体圧分散を適切に行うことで褥瘡を改善・予防し、腰痛や痛みによる精神的苦痛を軽減して、安楽に自分らしく生活したい。
【長期目標】
褥瘡が完治・予防され、腰痛等の身体的苦痛が緩和されることで、心身ともに安定した在宅生活を継続できる。
【短期目標】
適切な体圧分散マットレスや車椅子を使用することで、褥瘡の悪化を防ぎ、無理のない姿勢で安楽に過ごすことができる。
【サービス内容】
福祉用具貸与:
・体圧分散性能に優れたエアマットレスの導入
・褥瘡予防および姿勢保持が可能なリクライニング車椅子の提供
【ニーズ】
無理なく座位を保持し、腰痛の緩和や褥瘡の再発防止を図ることで、痛みによるストレスを軽減し、安楽な移動手段を確保したい。
【長期目標】
適切な座位姿勢を保つことで腰痛や褥瘡が悪化することなく、精神的に安定した生活を継続できる。
【短期目標】
リクライニング車いす等の活用により、体圧分散と座位保持が両立され、身体的苦痛が緩和される。
【サービス内容】
福祉用具貸与:背もたれの角度調整が可能なリクライニング車いすの提供。除圧と姿勢保持による疼痛緩和と二次的障害の予防。
【ニーズ】
褥瘡は改善傾向にあるが、今後も再発や悪化を防ぐための予防的な環境を整え、安心して寝休みできる生活を維持したい。
【長期目標】
皮膚トラブルのない状態を維持し、安楽な睡眠環境のもとで健やかな在宅生活を送ることができる。
【短期目標】
予防的観点から適切なマットレスを選択・使用し、良好な皮膚状態を継続的に維持する。
【サービス内容】
福祉用具貸与:皮膚状態の変化に合わせた、予防効果の高い特殊寝台付属品(マットレス等)の選定および提供。
3. 【入浴・清潔】訪問入浴・デイサービスの文例
清潔保持は褥瘡ケアの基本です。入浴時の観察をサービス内容に盛り込みます。
【ニーズ】
寝たきり状態においても適切な皮膚清潔を保持し、褥瘡の改善および新たな発生を予防して、安楽で快適に生活したい。
【長期目標】
褥瘡が完治・安定した状態を維持し、皮膚トラブルのない清潔な環境で安楽に過ごすことができる。
【短期目標】
訪問入浴等のサービス利用により、定期的かつ安全な入浴と皮膚観察が行われ、褥瘡の悪化防止と早期発見が図られる。
【サービス内容】
・訪問入浴介護の提供による全身の清潔保持
・入浴時の看護師による皮膚状態の観察と、必要に応じた軟膏塗布等の処置
・皮膚トラブルの変化に伴う、ケアマネジャーおよび関係機関への迅速な連携
【ニーズ】
寝たきりによる褥瘡を早期に改善し、専門的なスキンケアと観察を通じて、痛みや不快感のない清潔な生活環境を整えたい。
【長期目標】
既存の褥瘡が治癒し、徹底した皮膚観察と処置により新たな発生を完全に防ぐことができる。
【短期目標】
訪問入浴時の処置により患部の清潔が保たれ、微細な皮膚の変化を逃さず適切な対応が受けられる。
【サービス内容】
・訪問入浴介護:専門スタッフによる安全な入浴と皮膚洗浄の実施。
・看護職員による患部の状態確認と主治医指示に基づく褥瘡処置。
・皮膚トラブル発生時の早期発見およびケアマネジャーへの速やかな報告体制。
【ニーズ】
長時間の臥床による皮膚への負担を軽減し、専門的な介助による清潔保持を通じて、褥瘡の悪化を防ぎ安楽に過ごしたい。
【長期目標】
皮膚トラブルの悪化に怯えることなく、心身ともにリラックスした状態で在宅生活を維持できる。
【短期目標】
入浴機会を定期的に確保することで、皮膚の浸軟や乾燥を防ぎ、褥瘡が発生しにくい皮膚コンディションを維持する。
【サービス内容】
・訪問入浴介護:身体状況に配慮した入浴介助および全身の保清。
・バイタルサインチェックと併せた全身の皮膚観察の徹底。
・褥瘡部位の保護および、必要に応じた外用薬の塗布介助。
4. 【施設・居住系】24時間の見守り・ケアの文例
施設では多職種連携(介護職・看護職・栄養士)を意識した書き方が求められます。
【ニーズ】
自力での体位変換が困難なため、リハビリや福祉用具を活用して身体への過度な圧迫を避け、褥瘡の発生を未然に防ぎたい。
【長期目標】
離床機会の確保と関節可動域の維持により、二次的障害を防止し、褥瘡のない健やかな生活を継続できる。
【短期目標】
専門職によるリハビリや助言を受け、自動・他動運動による刺激を取り入れながら、除圧環境を整えることができる。
【サービス内容】
・訪問リハビリテーション:関節可動域訓練および離床促進のための機能訓練。
・専門職によるポジショニングの指導と、適切な除圧用具の選定・助言。
【ニーズ】
寝たきり状態に伴う褥瘡を改善し、栄養・清潔・除圧の多角的なケアを受けることで、穏やかに過ごしたい。
【長期目標】
褥瘡が完治し、包括的な管理体制のもとで皮膚の健康状態が維持され、安楽な施設生活を送ることができる。
【短期目標】
多職種連携によるケア計画に基づき、栄養改善、適切な体位変換、除圧環境の整備が確実に行われる。
【サービス内容】
・栄養管理:体重・食事摂取量のモニタリングと栄養状態の最適化。
・環境整備:エアマットレスの使用および2〜3時間おきの定期的な体位変換。
・皮膚ケア:入浴・清拭による清潔保持と主治医指示に基づく処置の実施。
・多職種連携:介護・看護・栄養士間での情報共有とケア内容の適宜見直し。
【ニーズ】
臀部の皮膚トラブルを防ぐため、車椅子等の使用時に適切な座り直しやクッションによる除圧を行い、苦痛なく過ごしたい。
【長期目標】
日中の活動時において褥瘡を発生させることなく、快適な姿勢で他者との交流や食事を楽しむことができる。
【短期目標】
定期的な声かけにより姿勢の崩れを修正し、圧迫部位を分散させることで発赤を予防できる。
【サービス内容】
・介護職員による定期的な姿勢確認と「座り直し」の介助。
・体圧分散クッションの適切な配置と、皮膚状態の定時観察。
・長時間座位を避け、臥床とのバランスを考慮した生活リズムの構築。
褥瘡ケアプランをPREP法で解説:作成のポイント
Point 1:結論(P)
褥瘡ケアのプランは「多角的なアプローチ」で書くことが結論です。処置だけでは治りません。
Point 2:理由(R)
褥瘡は「外力(圧迫)」「栄養不足」「不潔(湿潤)」の3つが重なって悪化するからです。どれか一つが欠けても改善は遠のきます。
Point 3:具体例(E)
- 医療が必要な時:特別指示書による連日の訪問看護
- 動きが少ない時:エアマットやポジショニングクッションの導入
- 食が細い時:高エネルギーゼリーの検討や栄養士への相談
Point 4:要点(P)
これらを第2表の「サービス内容」に具体的に位置づけることで、チーム全体で褥瘡を治す体制が整います。
まとめ:文例を活用して早期改善を目指そう
褥瘡のケアプランは、早期発見・早期対応がすべてです。
今回ご紹介した文例は、ご本人の状態に合わせて自由に組み合わせてお使いください。特に「痛み」や「不快感」といったご本人の視点をニーズに盛り込むと、より納得感のあるプランになります。
褥瘡ケアのチェックリスト
- [ ] 処置内容は具体的か(洗浄、軟膏、ガーゼ交換など)
- [ ] 除圧の手段は明記されているか(マット、体位変換など)
- [ ] 栄養面への配慮は含まれているか
- [ ] 悪化時の連絡体制はできているか
忙しい業務の中、この文例集が少しでも皆さんの負担軽減になれば幸いです。